スギナは、日本全土(沖縄除く)、北半球の暖帯に生息するトクサ科の多年草です。
主に、栄養茎と胞子嚢をハーブとして利用します。
スギナ(ツクシ)の特徴
ツクシ(淡い茶色の頭頂部に胞子嚢穂がついた胞子茎)が最初に顔を出し、そのあとに、緑色の栄養茎(生殖能力をもつ胞子嚢穂をもたない茎)が高さ30~40㎝に生えてきます。
ツクシの穂が成長すると、緑色を帯びた粉を出しますが、これが胞子にあたるものです。
一般的に、スギナというと栄養茎のほうを差しており、胞子嚢穂をツクシと呼び分けられています。
日本においてのツクシは春の風物詩としてのイメージが強く、一般家庭で昔から食べられてきました。
ツクシは、伸びきるまでは、袴と呼ばれる茶色の輪状の葉に覆われており、その姿が筆に似ているため、漢字では『土筆』と書くようになったと言われています。
黒褐色で細毛をもつ地下茎は繁殖力がとても強く、一度根付くと雑草化して除去しにくいです。
あまりに深く地下茎が根付くことから『地獄草』とも呼ばれ、日向の野原や道ばた、土手や荒れ地など至る所に自生しています。
スギナ(ツクシ)の効果と薬効
スギナには、花粉症、利尿作用、収れん作用、咳止め効果があります。
スギナ(ツクシ)の使い方
ツクシは、つくだ煮や煮物として食用にしますが、チアミーゼ、アルカイド、無機ケイ素などを含むので、食べる量には注意が必要です。
スギナは、門荊(もんけい)という生薬名で知られており、最近は花粉症薬として注目されています。
スギナ(ツクシ)の育て方
育てやすさ ★★★★★★
株分け 3月上旬~10月下旬
胞子茎 3月上旬~4月上旬
収穫 3月上旬~7月下旬
・日当たりの良い場所を好むが、どの土質でも育つ
・繁殖力が強いため、庭に地植えすると根絶やしにしにくい。
・無理に家に植えず、自生しているものを刈るほうが無難
スギナ(ツクシ)のレシピ(利用方法)
【ツクシの佃煮】
【材料】
ツクシ 300~400g
★酒 大さじ6
★醤油 大さじ4
★みりん 大さじ2
★砂糖 大さじ1
【作り方】
1.ツクシは袴をとって良く洗い、熱湯で1分ほど煮たあと水に30~1時間程度さらす。
2.水気を軽くしぼったツクシと★の調味料を鍋に入れ、少し煮汁が残る程度に煮詰めたら完成。
ツクシの佃煮は、煮込みすぎると乾燥気味になり固くなるので煮汁を煮詰めすぎないことがポイントです。
ほんのり苦みが残るので、ごはんのお供だけでなく、酒のつまみにも良く合います。
ツクシのアク抜きはしっかりしておかないと、苦味やえぐみが残りやすいです。
苦味やえぐみが気になる方は、水をかえながら2~3時間さらすとだいぶ和らぐかと思います。
春になって土手沿いを歩いていると、ついついツクシを摘んでしまうのは幼少期から変わりません。
袴をむいた手がしばらく真っ黒になってしまうのが難点ですが、美味しいので目をつぶっています。
子供たちと遊びがてら一緒に摘んで、家族で剥く作業をするのも楽しいですよ。
日本の春の風物詩ですし、ぜひみなさんも春になったらツクシを食べてみてくださいね。