カリンは、中国北部原産のバラ科の落葉高木です。
果実を乾燥させたものをハーブとして利用します。
カリンの特徴
カリンは、倒卵形のギザギザした葉を持ち、小枝の先に淡い紅色の花を咲かせ、うろこ状の樹皮は、成長して冬をむかえると剥がれ落ち、なめらかな木肌となる性質があります。
かつては、ボケ属と分類されることもありましたが、様々な議論を経て、現在は1属1種のカリン属となりました。
最も近い近隣種は、果実の形が良く似ているマルメロ属であり、カリンの属名の『Pseudocydonia』は、偽物のマルメロという意味です。
長さ15㎝ほどに成長する果実は、無毛で熟すと黄色に変化し、独特の芳しい芳香を放つことから、中国では、『香木瓜』と呼ばれ、盛んに栽培されており、中国の地域ブランド(地理標志保護産品)に指定されています。
カリンの効果と薬効
カリンには、のどの炎症止め、咳止め、利尿作用、去たん、下痢止めなどの効果があります。
カリンの使い方
乾燥した果実を薄切りにし、煎じて飲むほか、果実の砂糖漬けや果実酒にして芳醇な香りを楽しみます。
生薬の『和木瓜(わもっか)』は、カリンの実のことです。
また、カリンの木は、しっかりしていて固いことから、家具などの木材にも使われています。
カリンの育て方
育てやすさ ★★★☆☆☆
種まき 2月上旬~3月下旬
開花 5月
収穫 10月上旬~11月下旬
・陽当たり良好で水はけの良い場所に植える。
・立枝やからみ枝が出やすいので3月ごろ一度剪定すること。
・黒星病および、蝶や蛾の幼虫被害に注意する。
カリンのレシピ(利用方法)
【カリンのジンジャーハニーシロップ】
【材料】
カリンの実 1個
ショウガ 5㎝程度
はちみつ 200~300g
消毒済みの保存瓶
【作り方】
1.カリンは良く洗い、種と芯を取り出してスライスする。ショウガも良く洗い皮ごとスライスする。
2.消毒済みの保存瓶に、1のカリンとショウガを入れ、その上からはちみつを注ぐ。
3.保存瓶のギリギリまではちみつを注いだら、蓋をして冷蔵庫で寝かせる。
4.たまに上下を返しながら、最低1週間寝かせたら完成。
独特の芳香がたまらないカリンのジンジャーハニーシロップです。
冬場、のどが痛い時にお湯で割って飲むと、体がポカポカと温まり、のどの調子も良くなります。
割るものは、お湯以外にも牛乳や炭酸水など、お好みで使い分けてくださいね。
薬効をより得たいのであれば、最初の工程で取り出した種と芯をお茶パックに詰め、一緒にはちみつ漬けにすると良いでしょう。
少し見た目と風味がかわってしまいますが、カリンは種が一番薬効があると言われています。
はちみつでなく、砂糖漬けにする場合は、カリンの実とショウガを合わせた重量をはかり、それと同量の砂糖でつけると、ちょうどよい塩梅に浸かりますよ。
ぜひ、みなさんも果実の入手機会があったら、カリンのジンジャーシロップを作ってみて下さいね。