コブシは、日本に生育するモクレン科の落葉広葉樹です。
開花直前のつぼみをハーブとして利用します。
コブシの特徴
コブシは、高さ20メートルほどに成長する落葉高木で、早春に、葉が出る前の枝先に梢いっぱいの白い花を咲かせます。
集合果である果実は、でこぼことした握りこぶしのような形をしており、その果実の様子から『コブシ』の名がつけられました。
花の咲かせ方がサクラに似ており、サクラよりも早い時期に開花することから、『ヒキザクラ』『ヤチザクラ』『シキザクラ』という別名で呼ばれることもあります。
また、昔から早咲きであるコブシの咲き具合は、農作業の指標として利用されてきました。
特に、栃木県では、里芋の植え付け時期をコブシの開花に合わせて行うため、『芋植え花』と呼ばれています。
コブシの効果と薬効
コブシには、鼻炎、鼻づまり、鎮痛、鎮静作用があります。
コブシの使い方
コブシの花蕾は、生薬の『辛夷(しんい)』のことで、鼻ずまりや鼻炎用の漢方薬に配合されています。
開花時に咲き誇る様子が美しいため、サクラと同様、街路樹や庭木としても人気です。
また、樹皮をつけたまま建材として使われるほか、花は香料の原料にもなり、地域によっては、赤い種子を焼酎漬けにすることもあります。
コブシの育て方
育てやすさ ★★★★★☆
種まき 3月上旬~4月下旬
開花 3月
収穫 3月
・比較的丈夫で育てやすい
・陽当たりの良い場所を好む。
コブシのレシピ(利用方法)
【辛夷(コブシ)の薬膳豆腐】
【材料】2人分
コブシの乾燥花 5g
豆腐 半丁
水 300~400ml
黒糖 小さじ1~2(砂糖でも可)
【作り方】
1.豆腐をサイコロ状に切っておく。
2.鍋に水を沸かし、沸騰したらコブシの乾燥花を入れて数分煮込む。
3.コブシの色が出たら、茶こしで一度濾し、豆腐をいれて1~2分煮込む。
4.最後に黒糖を入れて味を調えたら完成。甘さはお好みでどうぞ。
こちらのレシピは、もともと漢方医の先生発案されたもので、濃さの調整や黒糖で甘味付けをするなど、管理人のアレンジが加わっています。
2の工程の際に、コブシの乾燥花をお茶パックに入れておくと、濾す必要がなく作業がスムーズです。
コブシの薬効をしっかりと得るために、汁ごと全部食べるようにしましょう。
豆腐とコブシは、どちらも鼻炎や鼻づまりに良い食材です。
花粉症の時期や風邪をひいたときに食べると、症状が和らいで楽になります。
コブシの乾燥花は、漢方薬として広く知られているので、割と手に入りやすい部類ではないでしょうか。
つらい花粉症に悩んでいる方は、ぜひ、こちらのレシピを一度お試しくださいね。