タイムは、南ヨーロッパ、北アメリカ、アジアを原産とするシソ科の常緑小低木です。
草のように生えますが、成長すると茎が木化し、生のまま、または、乾燥させて使用します。
タイムの特徴
タイムとは、350種類以上におよぶ種類をもつシソ科のイブキジャコウソウの総称です。
日本では、一般的に南ヨーロッパ産の『コモンタイム』をタイムと呼んでいます。
古代ギリシャにおいて、タイムの気品を感じさせる独特のすがすがしい香りは、勇気のシンボルとしてあがめられており、入浴時や神殿の儀式の際に焚かれるお香として使われていました。
中世ヨーロッパでは、女性が戦地におもむく騎士や戦士にタイムの葉をそえたプレゼントして、戦の成功を願ったり、悪夢を見ないようにお守りとして枕元にタイムを忍ばせたという話が残っています。
タイムの効果と薬効
タイムは、スパイスの中でも群をぬいた殺菌力と抗菌力をもっており、気管支から痰(たん)を取り除いて感染症を防いでくれる効果があります。
滋養強壮効果や疲労回復効果も高く、うつ状態の改善にも効果が期待できるスパイスです。
タイムの育て方
育てやすさ ★★★★★☆
種まき 4月上旬~5月下旬、9月上旬~10月下旬
開花 5月上旬~7月下旬
収穫 通年
・枝が茂りすぎると風通しが悪くなり、株が弱って枯れてしまうため、5月ごろにある程度刈り込んでおくこと。(目安は全体の3~4割程度)
タイムの使い方・代表的な料理
タイムは、肉料理や魚料理はもちろんのこと、クラムチャウダーなどの煮込み料理やドレッシング、レバノンの薄焼きピザ『マナキッシュ』のトッピングとして使われています。
パン生地やバターに練りこむほか、油やお酢に香りを移して使うことも多く、フランス料理のブイヨンに必要なブーケガルニ(混合ハーブの束)に欠かせないスパイスのひとつです。
また、タイムティーは、その殺菌効果の高さから、うがい薬や風邪予防薬として使用されることがあります。
タイムを使ったおすすめのレシピ
【タイム香るホタテの白ワインバターソテー】
【材料】
ホタテ 10個(刺身用)
オリーブオイル 20~30㏄
タイム 4~5枝
白ワイン 50~60㏄
バター 大さじ10g
レモン汁 小さじ1
塩コショウ 適量
【作り方】
1.ホタテとオリーブオイル、タイムを袋かタッパーに入れ、冷蔵庫で数時間寝かせる。
2.ホタテだけを取り出して、バターを熱したフライパンで両面を軽くソテーする。
3.ホタテをお皿に盛り付け、同じフライパンで白ワイン、レモン汁、タイム、オリーブオイルを軽く煮詰める。
4.3のソースを塩コショウで調味し、お皿のホタテにかけて完成!
シンプルな味付けに、白ワインとタイムがふんわり香るホタテのバターソテーです。
レモン汁を加えず、レモンの串切りをそえるとおしゃれな仕上がりになります。
ホタテは、固くならないように軽く焼くのがコツです。
コンソメなどを加えないので、塩コショウはしっかりめに加えましょう。
乾燥タイムを使う場合は、香りがきつくなるので半量程度に加減してくださいね。