アロマテラピーは、ヨーロッパを中心に発展した民間療法のひとつです。
日本でも、1950年ごろから徐々に医療現場やメンタルセラピーで利用されはじめ、アロマテラピーという言葉が一般的に浸透し、今では様々な精油を気軽に買えるようになりました。
でも、実際にアロマテラピーの正しい定義を詳しく知っている人は少ないかと思います。
ここでは、アロマテラピーとは何か?という基本を順番にお話ししていきましょう。
アロマテラピーの歴史
アロマテラピーの起源は、6500年前の古代エジプト時代です。
スパイスの歴史でも紹介していたように、このころから芳香性のある草花(ハーブ)は、食用だけでなく、医療や儀式、ミイラの保存、美容目的で使用されていました。
その後、これらの技術の一部が植物療法(芳香療法)として確立され発展し、ローマからアラブ、ヨーロッパ全土へと普及していきました。
特にヨーロッパにおいてのアロマテラピーの評価が高く、芳香療法研究のための施設なども一気に増えたことで、一般的にも広がり、こぞって医療現場に取り入れられていったといいます。
しかし、19世紀ごろまでは盛んだったアロマテラピーも、化学合成香料による医療、近代医学の発展により、とたんに衰退の一途をたどり始め、医療現場での利用はなくなり、芳香療法は民間療法のひとつと呼ばれるようになりました。
そんな、一度は衰退したアロマテラピーが再び脚光をあびはじめたのは、ここ数十年のことです。
自然精油の力が、エステティックサロンの美容施術や精神病治療に良いと注目されたことにより、日本でも広く深く、アロマテラピーという言葉が浸透することとなりました。
アロマテラピー(芳香療法)とは
アロマテラピーとは、天然精油(エッシェンシャルオイル)を使うことにより、身体本来の自然治癒力を増幅し、体の不調改善や健康増進、美容効果を高める自然療法です。
ここで言う『天然精油(エッセンシャルオイル)』は、植物から抽出して作られた100%天然素材のものだけを指します。
科学的に合成された精油は、アロマテラピーの精油には含まれません。
アロマテラピーにおいては、生命力を備えた天然の精油のみが自然治癒力に働きかけ、様々な症状を改善する効果があると考えられています。
アロマテラピーにおける精油は天然素材のもの
香水や市販の芳香剤をアロマテラピーだと勘違いしている方が多いですが、これらには合成香料が使われているため、正式な定義のうえではアロマテラピーとは言えません。
また、100円ショップで売られている精油も合成香料なので、香りを楽しむだけの疑似商品となります。
もちろん、食用の植物油として販売されているオリーブオイルやごま油なども、精油には含まれません。
アロマテラピーを正しく行うためにも、精油は天然素材のものだけを用意するようにしましょう。
ここで言う天然精油とは、水蒸気蒸留法、圧搾法、油脂吸着法、有機溶剤抽出法、超臨界流体抽出法で取り出され、有効成分を高濃度に含有しており、植物本来の香りと効能を持つもののことです。
(精油についての詳しい分類や定義についてはこちらのページへどうぞ)