パースレインは、世界中の温帯から熱帯にかけて分布するスベリヒユ科の一年草(多年草)です。
主に、全草をハーブとして利用します。
パースレイン(スベリヒユ)の特徴
高さ20~30㎝、株全体が多肉質で、茎は赤褐色の円柱状をしており、葉は表はつややかな濃緑色で裏は褐色を帯び、葉柄がなく、卵型をしています。
枝先に1~3個つく黄色い小さな花は、朝に咲いて夕方にしぼむ一日花です。
仲間に、メキシコに分布するウインターパースレインと呼ばれる品種があるため、一般的なパースレインを、サマーパースレインと分けて呼ぶこともあります。
栽培される品種では、味が良く野菜として扱われる『タチスベリヒユ』と、花色が豊富で見た目にも美しく園芸用と食用両方に適している『ハナスベリヒユ(ポーチュラ)』が人気です。
乾燥に非常に強く、畑や道端などに自然に生えて、横広がりに増えやすく雑草化しやすいため、農業をする人からは、畑作の害草扱いされていますが、地域によっては食料用として畑作も行われています。
近年は、パースレインにビタミンA、B、C、マグネシウム、カルシウム、鉄、カロチンなど、非常に豊富なビタミンとミネラルが含有されていることや、健康効果の高いオメガ3脂肪酸がとても多いことから、栄養価の高い健康食品として注目されています。
パースレイン(スベリヒユ)の効果と薬効
パースレインには、解毒、解熱、利尿作用、虫刺され治療、滋養強壮効果などがあります。
パースレイン(スベリヒユ)の使い方
若葉をサラダや炒め物にしたり、茎をピクルスにするほか、種も食用として使われます。
全草を乾燥させたものっを煎じて、解毒剤や利尿剤として飲むことも可能です。
パースレイン(スベリヒユ)の育て方
育てやすさ ★★★★★★
種まき 5月
開花 7月上旬~9月下旬
収穫 7月上旬~9月下旬
・日当たり良好で水はけの良い、窒素分を含む砂質土壌を好む
・生育は20度以上が適温。25度を超えたら直播きする
・暑さには強い。密集しすぎたら間引く
パースレイン(スベリヒユ)のレシピ(利用方法)
【パースレイン(スベリヒユ)のだし】※山形の郷土料理の『だし』です
【材料】
パースレイン(スベリヒユ) 刻んで2分の1カップ程度
なす 1本
きゅうり 1本
ミョウガ 1個
小ねぎ 2~3本
ショウガ すりおろし小さじ2
☆昆布 10g
☆めんつゆ 大さじ2~3
☆いりごま 大さじ1
【作り方】
1.パースレインは、軽く湯がいて冷めたら水気を切り、5㎜角に切る。
2.なす、きゅうり、ミョウガも5㎜角に切り、塩少々(分量外)を振って10分ほど置く。
3.2から水気が出たら軽くしぼり、パースレインと一緒にボウルに入れる。
4.小ねぎと昆布を刻み☆の調味料と混ぜ合わせ、3の野菜と一緒にあえる。
5.冷蔵庫でしっかりと冷やしたら完成。
山形の有名な郷土料理『だし』のパースレイン版です。
『だし』はさっぱり系の万能調味料みたいなもので、ご飯に乗せたり、ソース代わりして、魚や肉にかけて食べたりします。
山形では、昔からパースレインをお浸しやからし醤油和えなどして食べる習慣があるようで、この『だし』のレシピも何かのテレビで見たものを、自分流に食べやすく改良しました。
ミョウガの代わりに大葉を入れても美味しいです。
パースレインに、酸味と塩気が少しあるので、調味料はめんつゆだけでしっかり決まります。
めんつゆがなければ、だし醤油(醤油と同量の水にだしの素少々)でもOKです。
本来の『だし』では、粘り気を出すために納豆やオクラを入れますが、このレシピでは、パースレインが刻むと粘り気を出してくれるので入れなくてもかまいません。
管理人の住む地域では、雑草扱いで食べている人はほとんどいない気がします。
栄養価も高く、ねばねばして美味しいのですが、害草のイメージが強すぎるのかもしれないですね。
ぜひ、みなさんも機会があれば、山形の郷土食をお試しくださいね。