レモンバームは、南ヨーロッパを原産地とするシソ科の多年草です。
葉や花を、生のまま、または、乾燥させたものをハーブとして利用します。
レモンバームの特徴
レモンバームは、レモンにとても良く似た芳香を放つハーブです。
夏の終わりごろに咲くレモンバームの花は、ミツバチを引き寄せる性質があり、その様子からギリシャ語のミツバチという意味である『メリッサ』とも呼ばれています。
このレモンバームがミツバチを引き寄せる性質は、古代ローマ時代の科学者プリニーが発見し、当時はとても重要であった糖分源の確保手段として、ハチミツ採取用にさかんに栽培されはじめました。
また、ヨーロッパでは、その薬効の高さから『長寿のハーブ』と呼ばれたり、ルネサンス期の錬金術師(医師)パラケルススは、レモンバームの心臓に関する鎮静作用の強さから、『生命のエリクシール(不老不死の霊薬)』と呼んでいました。
栽培がしやすく使い勝手が良いため、現在は日本をはじめ、世界中に広く普及しています。
レモンバームの効果と薬効
レモンバームには、食欲増進効果、消化促進、滋養強壮、発汗、抗炎症、生理不順、生理痛、抗うつ効果、リラックス効果、発熱、頭痛、高血圧の予防など、不老不死の霊薬の名に恥じず、非常に広範囲にわたる数多くの薬効があります。
レモンバームの使い方
レモンの香りがありますが酸味はなく、ほんのり甘味があるため、ハーブティーに使いやすく、生の葉は、そのままサラダやデザートのトッピングに利用されます。
乾燥させたレモンバームの葉は、さわやかな香りが魚介類との相性が良く、ドレッシングやソースに最適です。
レモンバームの精油には、ストレスを緩和する効果が強く、女性特有疾患にも良く効くため、香水やアロマテラピー用の香りに良く使われています。
レモンバームの育て方
育てやすさ ★★★★★★
種まき 4月上旬~6月下旬、9月上旬~10月下旬
開花 6月上旬~8月下旬
収穫 4月上旬~11月下旬
・育ちが早く、室内栽培でも良く育つ。
・夏場の乾燥に弱いので、水やりをこまめにすること。
レモンバームのレシピ(利用方法)
【レモンバーム香る鮭のムニエル】
【材料】2人分
生鮭 2切れ
レモンバーム 小さじ1(乾燥)
白ワイン 大さじ1(酒で代用可)
小麦粉 適量
塩コショウ 適量
オリーブオイル 大さじ1
【作り方】
1.生鮭に塩コショウを振り、小麦粉とレモンバームをまぶす。
2.オリーブオイルを熱したフライパンで1を皮目から焼く。
3.両面に焼き色をつけ、白ワインを入れて蒸し焼きにする。
4.お好みの蒸し加減になったら、蓋を開けて白ワインを軽く蒸発させて出来上がり。
レモンバーム香る鮭のムニエルです。レモンバームを生かすため、あえてバターは使わずに作ります。
同じ要領で、白身魚など他の魚を使っても美味しいです。
仕上げに、生のレモンバームの葉をそえると、さらに香りの良いムニエルを楽しめます。
レモンバームは、クセが少なく使いやすいので、お料理にどんどん利用していきたいですね。
良く育つハーブですし、これからもいろいろなレシピを考えていきたいと思います。