エルダーは、ヨーロッパ、南西アジア、北アフリカ原産のスイカズラ科の落葉低木です。
花や果実だけでなく、枝や幹もハーブとして利用されています。
エルダーの特徴
エルダーの語源は、アングロ・サクソン語の『エルド(炎)』であり、もともとは、火を起こすときにその枝を使っていたためだと言われています。
接骨木としても有名で、枝や木のエキスを水あめ上にしたものは、湿布薬として使われてきました。
また、マスカットに似た甘い香りと柔らかい味わいのエルダーは、果実から花、枝葉に至るまで、すべての部分に効能を持つため、『万能の薬箱』とも呼ばれています。
エルダーの効果と薬効
風邪やインフルエンザの症状を鎮める効果のほか、利尿作用や便秘解消効果、シミやそばかすの軽減、花粉症による目の症状改善など、多岐にわたっておおくの効能を発揮します。
防虫効果も高く、イギリスの家庭では、近年まで虫よけのためにエルダーが植えられていました。
エルダーの使い方
エルダーの熟した果実は、ワインやジャム、シロップの材料に使われたり、染料として利用され、花の部分は、砂糖などをまぶすことでそのまま食べることができます。
乾燥させた花は、ハーブティーやハーブ酒にすることが多く、エルダーの抽出エキスは、シミそばかす対策の化粧水や入浴剤として人気です。
エルダーの育て方
育てやすさ ★★★★☆☆
種まき 3月中旬~4月下旬、9月いっぱい
開花 5月上旬~6月下旬
収穫 4月上旬~11月下旬
・乾燥にとても弱いので水やりをこまめにする
・夏場に株が蒸れると弱るので、風通しが良い半日陰に置いておくこと。
・大きく育つのでスペースを広めに確保する
エルダーのレシピ(利用方法)
【エルダー(エルダーフラワー)香るババロア】
【材料】
エルダーフラワー 5g(生の花なら15~20g)
熱湯 100㏄
砂糖 大さじ2~3
牛乳 200㏄(半量を生クリームにするとなめらかに)
ゼラチン 5g
【作り方】
1.熱湯にエルダーフラワーと砂糖を入れて10分蒸らす。
2.蒸らし終わった1を茶こしなどで濃し、鍋で80℃以上に温める。(沸騰させて火を止めて30秒ほど放置)
3.2にゼラチンを入れてしっかりと溶かしたら、牛乳を加えて混ぜる。
4.容器に移して、冷蔵庫で冷やし固めたら完成。
エルダーフラワー香るマスカットのような爽やかなババロアです。
エルダーはミントとの相性が良いので、ババロアに添えておくと香りがもっと華やかになります。
こちらは、エルダーをそのまま使ったレシピですが、エルダーフラワーコーディアル(シロップ)があれば、もっと手軽にババロアを作ることが可能です。
コーディアル使用の際には、コーディアル大さじ3を、熱湯50ml、砂糖大さじ1と合わせ、同じように80℃に温めてから、ゼラチンをとかし、牛乳を入れて固めてください。