ゲッキツは、熱帯アジアから、中国、日本にかけて自生するミカン科の常緑低木です。
葉や花、果実、樹皮をハーブとして利用します。
ゲッキツの特徴
ゲッキツは、ミカンに似た芳香を放つ光沢葉が3~9枚ずつ羽状複葉につき、白い5弁花の花は、ジャスミンに似た香りを放ち、直径1㎝ほどの赤い果実は食べることもできます。
漢字で『月橘(げっきつ)』と書き、月夜に花から良い香りがするためつけられました。
ゲッキツには別名も多く、イヌツゲ、九里香、オレンジジャスミン、シルクジャスミン、コメティックバークなど様々な呼ばれ方をしています。
南インド料理に使われるカレーリーフは、同じ属性のオオバゲッキツのことです。
花からジャスミンの香りがするため、しばしばジャスミンの名がつけられていますが、ジャスミンはモクセイ科であり、ミカン科のゲッキツとは全くの別種になります。
ゲッキツの効果と薬効
ゲッキツには、血液の循環促進、鎮痛、解毒作用があります。
ゲッキツの使い方
ゲッキツの葉や花、果実を食用に使うほか、樹皮や葉、花の粉末を化粧品の香料にしたり、葉や根を煎じたものは生薬『九里香』として利用されます。
厄除け効果があると言われているため、庭木や生垣用に使われることも多いようです。
ゲッキツの育て方
育てやすさ ★★★☆☆☆
種まき 10月上旬~11月下旬
開花 7月上旬~8月下旬
収穫 7月上旬~9月下旬
・陽当たり良好で水はけの良い場所を好む。
・やや乾燥気味に育てる。
・2年おきに植え替えをすること。
ゲッキツのレシピ(利用方法)
【ゲッキツ香るスパイシーカレースープ】
【材料】3~4人分
タマネギ 2分の1個
野菜類 2カップ分程度(パプリカ、オクラ、ナス、ニンジンなど)
オリーブオイル 大さじ1
☆水 700ml
☆ゲッキツの葉 2~3枚
☆コンソメ 2個
カレー粉 小さじ2弱(自作のカレーパウダーがおすすめ)
塩コショウ 適量
【作り方】
1.玉ねぎをみじん切り、他の野菜はサイコロ状に切っておく。
2.鍋にオリーブオイルを熱し、タマネギと他の野菜を軽く炒める。
3.少し野菜がしんなりしたら、☆の材料をすべて入れ、1蓋をして10~15分ほど弱火で煮込む。
4.最後にカレー粉と塩コショウで味を整え、ゲッキツの葉を取り出したら完成。
葉は、煮込みすぎると苦みが出るので忘れずに取り除きましょう。
本来、オオバゲッキツという種の葉がカレーリーフと呼ばれるスパイスですが、同属であるゲッキツを使っても、風味豊かなカレースープを作ることができます。
ゲッキツの香りは、ライスカレーよりもサラリとしたカレースープとの相性が良いです。
カレーリーフは、その名の通り、カレー粉のようなスパイシーな香りがしますが、ゲッキツはミカンに似たとても爽やかな香りがします。
タイカレーに欠かせない、こぶみかん(ライムリーフ)の葉の代用品としても優秀です。
ゲッキツは日本でもよく見かける木のひとつなので、ぜひ入手機会があれば、こちらのレシピをお試しくださいね。