エンレイソウは、ロシア極東部、日本全域に生育するユリ科の多年草です。
エンレイソウは、全草をそのまま観賞用植物として利用します。
※ユリ科と分類されることが多いですが、シュロソウ属に分類される場合もあります。
エンレイソウの特徴
エンレイソウの仲間は、基本的に葉が3枚、花びら3枚、萼が3枚とすべて3が揃っている特徴的な草花です。
主に山間部の明るい低木林の中や杉林の中、川辺など湿り気の多い土地に生えています。
日本国内で栽培されているエンレイソウは、正確にはオオバナノエンレイソウと呼ばれ、唯一花びらのないエンレイソウと異なり、可愛らしい白い花を咲かせる近隣種です。
本来のエンレイソウは、非常に栽培が難しいため、自生しているものを摘み取って使いましょう。
野生のエンレイソウの場合、自生している環境によって、花びら(外花被片)の色が明るい赤や緑、濃い紫色など同じ品種でも変わる場合があり、大きさも個体差が大きく、その生育の幅は10~50㎝もあります。
エンレイソウの効果と薬効
本来、毒草に分類されるエンレイソウですが、民間療法では催吐剤として利用されたり、馬用の薬として使われることもあります。
エンレイソウの使い方
清楚で可憐なたたずまいから、茶席の花として利用されることが多いようです。
エンレイソウの育て方
育てやすさ ★★★★☆☆
種まき 6月
開花 4月上旬~5月下旬
収穫 4月上旬~5月下旬
・湿度変化の少ない、日陰の涼しい場所へ植える。
・乾燥を防ぐため、こまめに水やりをする。
・マイコプラズマ病やアブラムシに気を付ける。
エンレイソウのレシピ(利用方法)
エンレイソウは、上記の通り毒草に分類されるため、食用のレシピはありません。
ですが、『奥ゆかしい美しさ』という花言葉を持ち、可憐な魅力のあるエンレイソウは、茶席の花としてしばしば利用されています。
参考程度に、民間療法として使われてきたエンレイソウの歴史を紹介すると、古い時代の中国や日本で食べ過ぎや飲みすぎた際に、胃の中の食べ物を吐き出させる催吐剤として使われていました。
毒物を摂取した時に、吐き出させる効果が強いことから重宝され、その結果、命拾いすることから『延齢草(エンレイソウ)』という感じがあてられています。
ちなみに馬の薬にした、という記録はあるものの、何の薬だったのかは不明です。
毒草であることは間違いないので、絶対に口にしないように気を付けましょう。